vol.214.初夏の北海道風景画館と画家の庭
良いお天気に恵まれた初夏のある日。
中富良野町奈江地区にある、北海道風景画館と画家の庭を訪ねました。
北海道風景画館は、中富良野の市街から
看板を目印に、
のどかな田園地帯を車で15分ほど走ったところにあります。
旧奈江小学校の跡地にある、
木造の建物は昭和25年に築造されたものです。
どこか懐かしい雰囲気が漂う館内に、画家の奥田修一氏の作品が展示されています。
静かでゆっくりとした時間の流れる展示室。
外の暑さや喧騒を忘れてしまいそうです。
館内には、奥田氏が30年以上にわたり、
この地の美しさを描き続けた風景画の数々、
宗教画や人物画が展示されています。
クラッシック音楽が静かに流れる展示室。
ゆっくりとした気持ちで鑑賞できます。
静かでおだやかなひと時を過ごせます。
画家の庭 風樹園
絵画鑑賞の後は、奥田氏の造った庭、画家の庭「風樹園」の散策へ向かいます。
画家の庭は、約2300坪の里山風の庭園です。
奥田氏のアトリエや鯉の泳ぐ池、そして小さな教会などがあります。
自然を好む奥田氏が、日常生活を楽しむため、
また絵のモチーフとするために、作られた画家の庭。
あちこちに可憐な花が、周りの景色と調和するように咲いています。
ちょうど紫陽花の花も咲き始めていました。
奥田氏のアトリエの横には、鯉の泳ぐ池。
マリア像のある池には睡蓮の花が咲き、
大きな葉の上にはトンボがとまっていました。
自然の移ろいを感じるこの庭で描かれた絵。
そのレプリカも展示されています。
庭の一角には、絵画の中にあるタチアオイが綺麗に咲いていました。
アトリエの奥にあるポプラの大木の横を抜けて、
小高い丘を登っていくと
那瑛山(なえやま)展望台の札のかかった東屋がありました。
正面の三角の山が那瑛山で、紅葉が見事だそうです。
さらに、山道を登っていきます。
木々の葉がつくる木陰の道は、涼しい風が通ります。
「葉が擦れる、木の下の道」という名前が付いたこの道は、その名の通り、風が吹くと木々の葉が擦れる音が心地よく響きます。
優しい木漏れ日に包まれた道の先に、カトリック教会公認の小さな教会「マリア御堂」が見えてきました。
受付で受け取った鍵を使って、御堂の中に入ります。
二つ置かれた椅子に座り、静かに手を合わせました。
不思議なほどに心が落ち着き、穏やかな気持ちになります。
ステンドグラスから差し込む虹色の光が、心にも灯をともしてくれるように感じます。
静けさと穏やかさに包まれる、心洗われるような時間を過ごせました。
今日は、初夏の風景画館と画家の庭をご紹介しました。
季節の移ろいを感じにまた訪れたい場所です