vol.245.富良野 風薫る5月の風景
5月上旬。
木々の緑がさわやかな季節を迎えた北海道富良野。
田んぼには水が張られ、田植えの準備も始まりました。
この時期は、水の張られた田んぼの水面に芦別岳や富良野西岳の山並みや
十勝岳連峰がまるで鏡のように映り込む光景を見ることが出来ます。
田植え前の今の季節にだけ出会うことが出来る風景です。
今日は、風薫る5月の風景をお届けします。
上富良野町深山峠さくら園
5月中頃、上富良野町深山峠さくら園を訪ねました。
国道237号線沿いの斜面にたくさんの桜の木があります。
桜の見ごろは過ぎましたが、
花と一緒に開く若葉の赤い色が目を引いています。
少し離れて見ると、まるで桜の葉が紅葉しているかのように、木々を赤く染めています。
まだたくさんの雪が残る十勝岳連峰を背景に、桜の木々の彩りがとても綺麗です。
山々の麓にみえる丘の緑も若々しい色合いです。
まだ花の残る桜のピンク色、桜の若葉の赤色、隙間から見える木々の若々しい緑、遠くの山々に残る白い雪。
今の季節にしか出会えない、春の彩りに溢れています。
気持ちのよい風に吹かれながら、若々しい春の息吹を感じました。
上富良野町日の出公園
JR上富良野駅から車で5分程の距離にある上富良野町日の出公園。
公園の小高い丘の頂上には眺めのよい展望台があります。
展望台からは、清々しい青空の広がる風景を眺めることができます。
南の方角、富良野市の方向には、まだ頂上にたくさんの雪が残る芦別岳が見えています。
日の出公園でも、若葉の赤い色合いが目立ち始めた桜の木々を見ることが出来ました。
東の方角を眺めると、十勝岳連峰の山並みが綺麗に見えています。
みずみずしい緑と山々に残る白い雪、そして桜のピンクや赤の色合い。
足元には黄色いタンポポが元気に花を咲かせています。
大地の春を感じながら、ベンチに座っていると、時が経つのを忘れてしまいそうです。
春のうららかな陽気につつまれて、おだやかなひと時を過ごせました。
富良野市鳥沼公園
富良野市街から6キロ程の距離にある鳥沼公園。
5月上旬、桜が咲く頃には、木々の若葉が芽吹き始め、
沼の周りの木々は春の息吹に包まれます。
静かに水をたたえる沼の周りの木々は、
暖かい陽射しのもとすくすくと葉を広げ、
1週間ほどで若葉の美しい新緑の季節を迎えていました。
透明度の高い沼の水面には、木々の緑と青空が映り込んでいます。
(動画)
清々しい青空からまぶしい日差しが降り注いでいます。
鳥たちのさえずりが聞こえています。
さわやかな風に吹かれて、沼の畔で新緑の風景を眺めました。
見上げると空高く枝を伸ばす木々の若葉が、
きらきらと輝いて見えます。
桜も花が終わり、葉を大きく茂らせています。
(動画)足もとには、たくさんのニリンソウが咲いています。
1本の茎から2輪の花が伸びるニリンソウ。
白く可憐な花が風に吹かれて、やさしく揺れています。
オオバナノエンレイソウも白く大きな花を咲かせていました。
エンレイソウは花を咲かせるまでに10年~15年近くもかかるそうです。
長い年月を超えてたくましく花を咲かせる姿にエールを送りたくなります。
沼に隣接する「ハンノキの林」も美しい新緑に包まれています。
にぎやかな鳥たちのさえずりを聞きながらの森林浴はとても気持ちが良いです。
若々しい新緑の頃から一週間。
5月中旬。
木々や草花の緑は一層色濃くなり、初夏を思わせる季節となりました。
ミズバショウも花が終わり、大きく葉を茂らせています。
バイケイソウは緑の大きな葉を広げています。
葉に棘のあるエゾイラクサ。
棘にかぶれることもあるそうですが、若葉は山菜として美味しくいただくことができます。
初夏に白い花を咲かせるオニシモツケ
水辺を好むコンロンソウ。
マイヅルソウなどたくさんの植物たちが元気に葉を広げていました。
生命力あふれる植物のパワーに触れられる、これからの季節が楽しみです。
今日は、風薫る5月の風景をお届けしました。