vol.109.十勝岳連峰 夏の高山植物
北海道のほぼ中央に位置している、十勝岳連峰の富良野岳は、『花の百名山』に選定される、高山植物が豊富な山です。
8月初旬。
今日は十勝岳温泉の登山口から、上富良野岳までの登山道で出会えた高山植物をご紹介します。
この日、登山道沿いをにぎやかに彩っていたのは、ミヤマアキノキリンソウです。
黄色い花が夏の太陽に照らされて輝いています。
アカモノは花が終わり、小さな赤い実をつけていました。
エゾオヤマノリンドウは、大きな蕾を膨らませています。
安政火口との分岐を過ぎると、花の種類も増えてきました。
イワブクロ、
ゴゼンタチバナ
雌しべの先がくるりと曲がった、ミヤマホツツジ、
エゾヒメクワガタ、
ミヤマリンドウ
シラネニンジン
ハイオトギリなど、たくさんの高山植物に出会えました。
富良野岳と上ホロカメットク山の分岐を過ぎ、さらに登っていくと、
エゾノマルバシモツケや
ヨツバシオガマが花盛りです。
そこで、とても神秘的な光景が目に飛び込んできました。
花が終わったチングルマの綿毛が、さらさらと風に揺れています。
日の光に照らされた綿毛が輝きながら風に揺れる光景は、まるで絵本の世界のようです。
毛の多い長い葉をウサギの耳に見立てた、ウサギギクや
美しい紫色のイワギキョウにも出会えました。
さらに標高が高くなると、
アオノツガザクラ
エゾノツガザクラが可憐な花を咲かせていました。
上富良野岳山頂へ最後の登りに入る手前に広がる、窪んだ谷状の斜面には、
可憐な高山植物の花畑が広がっていました。
標高が高いので、梅の花に似たチングルマの花も咲いています。
チングルマやエゾノツガザクラ、アオノツガザクラ、
イワヒゲなどが可憐な花を咲かせていました。
これらの花々は、標高が高く、雪が遅くまで残る地形に生える高山植物です。
一見、植物が育つには過酷すぎる状況に思える中で、花を咲かせる姿は気高く、たくましく、美しいです。
自分の置かれた場所で、自分の花を咲かせる植物たち。
高山植物のひたむきな姿に、たくさんんの元気をもらいました。