vol.40富良野 春を告げるハクチョウ
4月上旬の北海道富良野市。
数週間前の、一面雪で覆われた景色と、大きく変わりました。
十勝岳連峰の頂は白く雪で覆われていますが、街並みは美しい田園風景へと様変わりです。
例年に比べ、雪がとけるのが早かった今年の富良野の田んぼには、北へ帰る旅人が多く訪れました。
それは、シベリアへ戻るハクチョウです。
大きく羽を広げて、旅の疲れを癒しているようです。
30羽以上はいるでしょうか。たくさんのハクチョウが、白い顔を真っ黒にしてエサをついばんでいます。
雪がとけた田んぼに残っていた稲穂をついばんでいるのでしょう。
エサを求めて畔を越え、田んぼを歩き回る姿を見かけました。
長旅に備えて、たっぷりと栄養を取らなくてはいけないのでしょう。
旅立ちの準備に余念がありません。
向こう田んぼからは、こちらに向かって飛んでくる一軍もあります。
眺めていると、2羽が寄り添うように羽をはばたかせて、空を飛んでいます。
ハクチョウの夫婦でしょうか。
着地のタイミングもピッタリです。
大きな羽を広げ、とても優雅な姿で着地しました。
夫婦の絆を大切にする鳥と言われる、ハクチョウ。
つがいになった相手と、生涯共に過ごすそうです。
夫婦での長旅を共に楽しんでいるように見え、あす。
本州で冬を過ごし、これから約2週間かけてシベリアに帰るハクチョウたち。
長旅に備え羽を休め、富良野の大地でたっぷりと英気を養います。
たくさんのハクチョウの姿を見た日から、2日後。
春本番の暖かさを迎えたこの日、田んぼには1羽のハクチョウの姿もありませんでした。
北に向かって、旅立っていったのでしょう。
また来年元気な姿を見せてくれることを願いながら、晴れ渡る北の空を見上げました。