vol.35富良野 春を待つ八幡丘
雪どけが進んで、草花も活動を始めた、北海道富良野市。
一年を二十四の季節に分けた二十四節気では、今年は4月5日が清明(せいめい)となります。
清明は、春先の清らかで生き生きとした様子を表す「清浄明潔」という言葉を略したものだそうです。
清明という言葉通り、万物が若返り、清々しく明るく美しい季節です。
雪がとけて、顔を出した土からは、ようやく花の芽やふきのとうが顔を出し始めました。
本州では桜が咲き誇るころでしょう。
しかし北海道は、まだ桜のつぼみは固く、まだ時折雪もチラついています。
今日の最高気温は4℃。
風が冷たく、外にいると手足が冷たくなります。
そんな中、今日は雪どけが進んだ富良野市内の郊外へと足を延ばしてみました。
富良野市街から東へ6㎞ほど行った鳥沼公園に向かいました。
途中の畑は、真っ白い雪景色から、肥沃な黒い土が広がる景色に変わっていました。
ビニールハウスでは、作業が進められているようです。
本格的に農作業が始まります。
鳥沼公園の周りの雪もすっかりとけています。
水辺にはふきのとうも顔をだしていました。
鳥沼公園から麓郷の方向に5㎞ほど道道253号を登った先にある、八幡丘まで行ってみようと思います。
途中のパーキングからは、富良野市街の街並みや富良野西岳、布部岳などを望むことができます。
八幡丘は富良野市の市街地からは、250mほど高い場所にあります。
そのため、まだ雪がたくさん残っています。
季節を少し巻き戻したようです。
時折、雪も舞い散ります。
八幡丘は、なだらかな起伏が続き、牧草地が広がっています。
牧草地はまだ一面深い雪に覆われています。
牛舎の牛も春を待ちわびているでしょう。
少し青空が見えてきました。
一面雪に覆われた丘に1本のオウシュウトウヒ。
真っ白い雪の中にまっすぐ立つ姿は、とても存在感があります。
NHKの朝のドラマでオープニングで使用されたことから、「春よ来いの木」と呼ばれているそうです。
今、その名の通り、まさに春を待っている姿です。
八幡丘は春の訪れが少し遅いようですが、植物は、動き出しています。
ヤナギの芽が膨らみ、白い花を咲かせているようです。
ふわふわの毛に覆われたヤナギの芽は、しっかりと春を知らせてくれています。
同じ富良野市内でも、季節の訪れ方が異なります。
暖かな春が待ち遠しく、冬が去る寂しさ、そんな両方の思いが湧いてきます。