vol.238.冬の一日
立春が過ぎ、暦の上では春を迎えましたが、まだまだ厳しい寒さが続く北海道富良野。
今日は、そんな富良野の冬の一日をお届けします。
雪が沢山積もった日の朝は、通勤や通学の時間を迎える前に、除雪作業が行われています。
除雪車は、雪国の安全を支えてくれています。
除雪されたばかりのピカピカの道路を走り、中富良野町の市街地を見渡せる北星山の山頂へ向かいました。
朝7時。東の空が明るくなってきました。
今朝は、マイナス20℃を下回る厳しい冷え込みです。
雲一つない良く晴れた空。
芦別岳や富良野西岳もくっきりと見えています。
7時15分。
十勝岳連峰の向こうから朝日が昇ってきました。
明るい太陽の光で周りの景色がオレンジ色に輝きます。
ロープの周りについた雪の結晶も、朝日に照らされています。
オレンジ色の光の中に中富良野町の街が包まれていきます。
北星山スキー場の斜面もキラキラと輝いています。
ひと月前と比べると、日の出の時間も早くなりました。
少しずつ季節が春へと向かっていることが感じられ、気持ちも明るくなります。
北星山のカラマツ林も朝日に照らされています。
霧氷に覆われた白い木々は
銀色に輝いています。
見上げると、カラマツの林の隙間に、空を横切る気球と飛行機雲が見えました。
素敵なタイミングをカメラにおさめます。
朝8時近くなり、辺りはすっかり明るくなりました。
綺麗な青空が広がっています。
遠くに見えるのは、富良野西岳と芦別岳です。
中富良野町を流れる富良野川。
川沿いの木々は霧氷に覆われ、真っ白です。
川からはゆらゆらと川霧が立ち昇っています。
川の向こうに見える山並みは、富良野川の源流、十勝岳連峰。
霧氷に覆われた川沿いの木々は、まるで白い花が咲いたようです。
厳しい寒さの中、青い空に向かって、枝を伸ばしている姿。
力強い美しさを感じます。
今日は一日中、気持ちの良い青空が広がり、
噴煙の上がる十勝岳もくっきりと見える快晴の一日でした。
夕方4時。
夕暮れを迎える頃、再び、中富良野町北星山の山頂へ向かいました。
十勝岳連峰の山々、そして
トムラウシ山や大雪山の方まで山並みが綺麗に見えています。
西の空に日が傾き始め、
中富良野町の街が西日に照らされています。
ゆっくりと日が傾くにつれて、
山々がほんのり茜色に色づいていきます。
夕陽に照らされてできる影が、山々の美しさを際立たせています。
見上げると、空の高い位置には小さく月が見えました。
夜がはじまる空の、青のグラデーション。とても綺麗です。
空は徐々に、夜へと色を変えていきます。
暮れゆく空を背景に、山々を覆う雪の白さが、一層際立って見えます。
白い噴煙の上がる十勝岳。
夕陽に染まる気高く、美しい姿
その凛とした佇まいに気持ちも引き締まります。
4時半を過ぎた頃。
日が落ちた空には、月がいっそうの輝きを見せていました。
快晴の一日がゆっくりと終わり、静かに夜が始まります。
寒い冬の夜の楽しみのひとつに、アイスキャンドル作りがあります。
ゴム風船に水を入れて、凍らせます。
マイナス10℃近くまで冷え込んだ日は、一晩で綺麗なアイスキャンドルが出来上がります。
氷の厚さは、薄い所で5mmほど、厚い所では1㎝以上の氷の器が出来上がります。
透明感のある氷を通して見える、炎のゆらめき。
寒い冬の夜にあたたかな気持ちが広がり、思わず笑顔になりました。
今日は、富良野の冬の一日をお届けしました。