vol.226.十勝岳連峰 ~秋から冬へ~
9月末~紅葉の始まり~
街路樹のナナカマドが赤い実をつけ
公園の桜の葉が赤く色づき始めた9月下旬。
十勝岳連峰では、一足早く紅葉が進んでいました。
標高が高いことから日本一早い紅葉が楽しめる温泉郷としても知られる、
十勝岳温泉郷の凌雲閣から眺める十勝岳連峰
山肌を覆う木々が、赤や黄色の秋の色に染まり始めています。
ここから、十勝岳や富良野岳の登山道を安政火口の近くまで歩いてみることにします。
安政火口の近くまでは、よく整備された登山道が続いているので
多くの方が秋の散策を楽しみに訪れています。
登山道沿いの木々が黄色や
オレンジの秋の色に染まっています。
標高の高い所に生える、ウラジロナナカマドの実も赤く色づいています。
草陰からひょっこりと現れたシマリス。
つぶらな瞳がとてもかわいく、癒されます。
去年までは通行できなかった三段山への登山道も、今年は整備され、新しい標識が建てられています。
荒々しい山肌の三段山は山スキーのメッカとしても知られています。
振り返ると、凌雲閣の建物が小さく見えています。
標高が高くなるにつれて、色づいた木々が美しく輝いています。
秋の雰囲気が漂う登山道沿いに、
エゾオヤマノリンドウの紫色の姿が目に留まりました。
この季節に、まだ花をつけています。
歩き始めて30分ほどで、
安政火口の近くまでやってきました。
切り立った岩場の下にも秋の色合いが広がっています。
これからひと月ほどかけて、鮮やかな紅葉が山の麓にも広がっていくのが楽しみです。
秋晴れの空のもと、気持ちの良い山歩きを楽しめました。
10月初旬~初冠雪の頃~
十勝岳連峰の山頂に、初冠雪のあった10月初旬。
山々の紅葉はピークを迎えていました。
雪化粧と紅葉の山の姿を写真におさめようと、十勝岳温泉郷凌雲閣は、カメラを抱えた方で賑わっていました。
色鮮やかな紅葉を眺めに、安政火口の近くまで登山道を歩きます。
10日ほど前に訪れた時と比べると、赤や黄色の色づきは一層鮮やかになり、
雪化粧の山並みと紅葉の美しいコントラストです。
30分程歩き、
安政火口を近くに望める場所までやってきました。
このあたりの紅葉はピークを過ぎているようです。
山頂に雪を乗せた山の姿が、とても凛々しく見えます。
麓のほうを眺めると、凌雲閣のあたりが、ちょうど紅葉の見ごろのようです。
暮れ始めた空を眺めながら、山を下ります。
紅葉が進んでいるのは、木々だけはでなく、
登山道沿いの高山植物も秋の色に染まっていました。
西日に照らされ、木々が輝いて見えます。
ウラジロナナカマドの葉も赤く色づいています。
真っ赤に色づく木々と
うっすら雪化粧の十勝岳連峰
今の季節にしか出会えない貴重な瞬間です。
しっかり、目に焼き付けて
山を後にしました。
登山口まで下りてくる頃には、ずいぶんと日が傾いていました。
午後4時半。
西日に照らされた山並みは、
柔らかな光に包まれています。
大きな太陽が沈もうとしています。
標高の高い所から眺める夕焼けは、ダイナミックです。
とても印象的な光景に出会えた一日でした。
10月中旬 ~秋の終わり~
街中の公園や街路樹の木々の紅葉が見ごろを迎えた10月中旬。
冬タイヤへの交換を終えたばかりの車で、十勝岳温泉郷、凌雲閣へ向かいました。
10日ほど前に訪れた時には、赤や黄色の色合いが美しかった木々も葉を落とし、
季節は秋から冬へと進んでいました。
標高の高い山は、すっかり白い雪に覆われています。
準備してきた防寒ジャンバーを着込み、登山道を歩きます。
すれ違う人も少ない静かな登山道をゆっくりと登ります。
赤や黄色に色づいていた木々は、すっかり葉を落としています。
枝や幹がむき出しとなった冬の姿です。
落ち葉の上には、うっすら雪が積もっている場所もあります。
枝先にわずかに残る枯葉が、静かに散っていきます。
真っ赤に色づいていたウラジロナナカマドの木も、葉を落とし、冬支度です。
山から吹いてくる風はとても冷たく、
日陰には雪が目立つようになりました。
風向きなのでしょうか、今日は風にのってくる硫黄の匂いが強く感じます。
30分程歩き、安政火口の近くまでやってきました。
荒々しい山肌が白い雪に覆われ、一層険しく近寄りがたい雰囲気を感じます。
積もった雪に音がすいこまれているかのように、冬を迎える山はとても静かでした。
北海道の秋は短いとよく言われていますが、
標高の高い山は、より一層秋は短く、
冬が駆け足で山の上から駆け下りてくるように、
あっという間に季節は秋から冬へ。
山肌を覆う雪や木々の色合い、頬に当たる風の冷たさ
10月の十勝岳連峰で変わりゆく季節を感じることができました。
今日は秋から冬へと移り行く十勝岳連峰をお届けしました。