vol.21富良野の春の兆しと夕焼け空
北海道、富良野の三月。
一年を二十四の季節に分けた二十四節気の啓蟄(けいちつ)が過ぎました。
地中に潜んでいた虫が地上に這い出てくるという意味の啓蟄。
富良野の大地も、厳しい寒さが緩み、雪解けも進んでいます。
植物も長い冬に耐えて、貯えたパワーを少しずつ開放しているようです。
ヤナギも芽吹き始めました。
農家の方の融雪剤散布が始まり、一面真っ白だった田畑にも、黒いものが混じり始めました。
融雪剤は炭などの成分でできた黒い粉末で、これを田畑に散布し、太陽の熱を利用し雪をとかしていきます。
真っ白だった雪に黒いものが混じる光景は、富良野の春の訪れを告げる景色の一つです。
白一色だった田畑の、本来の姿に変わる準備です。
雪の下でゆっくりと静かに春を待つ大地も動き始めます。
長い冬から春へと季節が移り変わっていきます。
夕方5時ころ。西の空に日が傾き始めました。
12月の冬至から啓蟄へと季節がかわり、すっかり日が長くなりました。
厚い雲に覆われた僅かな隙間から、オレンジ色の光が広がっています。
雲の切れ間から、太陽の姿が見えました。
山際が夕日の色に彩られていきます。
固くしまった雪面を夕日色に染めていきます。
空の青と雲のグレー、オレンジ色の光のコントラストの美しさに引き込まれます。
あたりの空も、雲も夕焼け色に染めていきます。
灯がともったような太陽が周囲を照らしています。
太陽の姿は山に隠れていきますが、オレンジ色の光は空に大きく広がっていきます。
空全体が夕日の染まっていきます。
ゆっくりと西の空に日が落ちていきました。
空を彩る美しい芸術作品を見ることができました。
今日一日もありがとうございました。