vol.12 富良野に小さな春、見つけました~菓子司ろっこう~

つららの氷から水が溶け落ちる様子

一年を24の季節に分けた二十四節気。

今年は、2月19日が雨水(うすい)です。

空から降るものが雪から雨に変わり、氷が溶けて水になるという意味だそうです。

まさに今日の北海道富良野も、お昼過ぎの気温がプラス4℃まで上がりました。

雪が溶けて道路に水たまりができました。

つららも暖かな太陽の光に照らされて、小さくなっています。

そんな春を思わせる陽気に誘われて、富良野の街中を歩いてみました。

富良野小学校敷地内に立つ看板

北海道のほぼ中心に位置する富良野市は、「へそのまち」とも呼ばれています。

帯広に向かう国道38号線沿いにある富良野小学校の校庭脇には、北海道の中心地点を示す中心標の石碑があります。

毎年7月に富良野市で開催される北海へそ祭りは、この「へそのまち」にちなんだお祭りです。

富良野市内の菓子司ろっこう

雪が溶けて、シャーベット状になった道を駅の方へと向かいます。

国道38号線沿いから本通りへと、ぬかるんだ道を5分程歩きました。

そこで、菓子司ろっこうさんの店先に、「さくら餅」の文字を見つけました。

ろっこうさんは、1973年創業、富良野の老舗のお菓子屋さんの一つです。

富良野駅からは、本通りを真っすぐ国道38号線に向かって歩いて、10分程の街中にあります。

思わず、さくら餅の文字に誘われて、店内に入ってみました。

富良野市菓子司ろっこうの桜餅

お店の中では、ケーキや沢山の種類の焼き菓子やおまんじゅう、そしてお店の方の爽やかな笑顔が出迎えてくれました。

ありました。お目当ての綺麗なピンク色のさくら餅。

道明寺粉(どうみょうじこ)のつぶつぶのお餅に、桜の葉をまとって、お雛様を思い出す、可愛らしい姿です。

見ているだけで春を感じます。

富良野のお菓子には、北海道の中心「へそ」にちなんだ、おまんじゅうなどのお菓子も数多くあります。

ろっこうさんにも、「へ~そォ」や「中心標石」という名前のついた焼き菓子がありました。

どれもとても美味しそうです。

富良野菓子司ろっこうの焼き菓子

色々迷って、いくつかの焼き菓子とおまんじゅう、さくら餅を購入しました。

どんなお茶と一緒にいただこうかと、楽しみになります。

帰り道、暖かな日差しとザクザクに溶けた雪、そして手にしたさくら餅の香りで、一足早い春を実感しました。

桜餅と富良野ぼたんそば茶

家に帰りついて、ホッと一息。

先ほど購入したさくら餅を富良野のぼたんそば茶と、一緒にいただくことにしました。

塩漬けにされた桜の葉の香り、程よい甘さの餡、道明寺粉のもちもち感と粒々の食感が、格別です。

思わず「おいしい」という言葉が溢れます。

口の中に広がったさくら餅の味が微かに残っているところにお茶をいただくと、蕎麦の香ばしい香りが更に加わり、優しい幸せな気持ちに包まれます。

小さな春を感じて、美味しいお菓子とお茶をいただく、とても贅沢な時間です。

「ごちそうさまでした」

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