vol.199.富良野 森の春便り
4月中旬。
二十四節気の穀雨に入りました。
穀雨とは、たくさんの穀物をうるおす春の雨が降る頃のこと。
北海道富良野では、降る雨が時折みぞれや雪に変わる、肌寒い日が続いています。
そんな中、富良野の森に、春を告げる妖精が舞い降りました。
富良野市街から車で5分ほどの場所にある、清水山。
清水山の斜面にはエゾエンゴサクの水色の花畑が広がっています。
エゾエンゴサクの周りに咲く、キバナノアマナの黄色や
フキノトウの若芽色が春らしい彩りを添えています。
JR富良野駅から車で10分程の場所にある、朝日ヶ丘公園なまこ山でも、春の息吹に出会いました。
水色のエゾエンゴサクやカタクリが可憐な花を咲かせています。
カタクリはツボミのものが多く、これから間もなく見頃となるでしょう。
福寿草の黄色い花も春を告げています。
大きな木々に囲まれて、日があまり当たらない場所で
たくさんの福寿草が、小さな花を咲かせていました。
可憐な花たちの姿を目にして、心に春の喜びが広がってきます。
立ち枯れした姿のまま、冬を越えた
オオウバユリを見つけました。
種が飛び散り、空っぽになった実が、透き通るような美しさで輝いて見えます。
つい足をとめて、見入ってしまう佇まいです。
足元には、オオウバユリの若葉が顔を出しています。
まるでバラのツボミのような美しい若葉。
緑色のみずみずしい葉を大きく広げています。
桜の芽も少し膨らんできたようです。
桜の季節ももうすぐそこ。
森の春の息吹に触れ、心和むひと時を過ごせました。