vol.59.富良野 新緑の麓郷街道の桜並木
北海道のほぼ中心に位置する富良野市。
富良野市街から、ドラマ「北の国から」のロケ地として有名な麓郷(ろくごう)に向かう道道544号線は、通称、麓郷街道(ろくごうかいどう)と呼ばれています。
街道沿いには、約300本のエゾヤマザクラが植えられ、地元では桜の名所としても知られています。
ゴールデンウィークの明けた5月中頃。
富良野の街中の桜は、もう散ってしまいましたが、山あいを走る麓郷街道の桜は、この頃に見ごろを迎えます。
桜を見に、麓郷街道へドライブに出かけました。
新緑のまぶしい麓郷街道
まず、目に飛び込んできたのは、木々の新緑の鮮やかさです。
山が鮮やかに彩られています。
ピンク、白、黄緑、オレンジ、黄色、赤、深緑。
知っている色の名前では、表現しきれないほど、森が色であふれています。
白はコブシ、ピンクは桜、赤はイタヤカエデ、黄緑は白樺のようです。
たくさんの種類の木が、森の春を彩っています。
木々の一本、一本の若葉が、春の日差しを浴びようと、小さな葉を広げています。
生命力にあふれる、美しい光景です。
麓郷街道の桜並木
新緑の山を見ながらしばらく走ると、見事な桜並木が見えてきました。
満開の美しい桜です。
布部川(ぬのべがわ)の清々しいせせらぎが聞こえてきます。
日差しは暖かく、目に前には満開の桜や色鮮やかな新緑が広がっています。
春の季節の真ん中にいる、そんな気持ちになりました。
と同時に、長かった冬も思い出します。
富良野の長く厳しい冬。
凍てつく寒さと一面の雪。
この雪が解ける日が来るのだろうかと思うこともありました。
今、明るく暖かい春を目の前にして、確かに季節は巡る、ということを噛みしめています。
新緑の麓郷街道は、春の歓びが胸にしみる、素敵なドライブコースでした。