vol.45.富良野 妖精の訪れ エゾエンゴサクの群生地
エゾエンゴサクの大群生地 富良野市清水山
4月中旬。
二十四節気の穀雨(こくう)、4月20日を過ぎた頃、北海道富良野市では、エゾエンゴサクが花開く、水色の春の季節を迎えました。
可憐な花を咲かせるエゾエンゴサク。
春の青い妖精のようです。
倉本聰氏の脚本のドラマ、「風のガーデン」の中では、このエゾエンゴサクに「妖精たちの秘密の舞踏会」という花言葉がついていたそうです。
富良野にも妖精が訪れ、幻想的な水色の世界を見せてくれています。
今日は、富良野市内のエゾエンゴサクの水色の世界を楽しめる群生地をいつくかご紹介します。
まず一つ目は、JR富良野駅から2キロ程の距離にある、清水山です。
ふらのワイン工場やふらのワインハウスなどが立ち並ぶ斜面が、この時期は水色に染まった光景を見ることが出来ます。
ワイン工場へと向かう道路の途中、「ぶどうが丘公園」の看板とすぐ横に立つ松の木の周りが水色に色づいています。
エゾエンゴサクの水色の世界が広がっています。
エゾエンゴサクの水色、そして葉やフキノトウの若草色が鮮やかです。
長く厳しい冬を越え、やっと訪れた富良野の春。
その喜びが植物たちから溢れているようです。
エゾエンゴサクの咲く林の中で、食事をするエゾリスの姿を見つけました。
まるで絵本の1ページのような光景です。
エゾエンゴサクを見に行って、エゾリスと偶然にも遭遇。
運よく、愛らしい姿との出会いに恵まれました。
富良野市島ノ下神社のエゾエンゴサク
次の群生地は、富良野市の島ノ下神社です。
島ノ下神社は、富良野市内から国道38号線を滝川方面に15分程走り、道道135号線を三笠方面に左折したすぐのところにあります。
境内の大きな木の下に、エゾエンゴサクの水色の絨毯が広がっています。
雪がとけ、春の暖かさを感じるようになったころ、エゾエンゴサクの水色の花畑が現れます。
それは、まるで、魔法のように、辺りが水色の世界に変わります。
毎年、驚きと喜びで春を告げてくれます。
まさに、ここにも青い妖精が現れました。
富良野市鳥沼公園のエゾエンゴサク
最後の群生地は、富良野市の鳥沼公園です。
富良野市街から6キロほど東の方向にある、湧水の流れ出る美しい沼のある公園です。
公園内にある大きな木を囲むように、可愛らしい花を咲かせていました。
エゾエンゴサクは、土の中の茎の部分に養分を蓄え、球根のような塊(魂茎・かいけい)をつくるため、毎年同じような場所で花を咲かせるそうです。
今年も青い春の妖精に出会え、春の歓びが大きく膨らみました。