vol.17中富良野町北星山~鳥のさえずりに誘われて~

2月下旬。
長い冬もようやく終わりが見えてきました。
この時期は、昼間の暖かさで溶けた雪が夜に冷えて固まります。
これが何日か繰り返されることで、雪が固く凍り付き、「かた雪」となります。
寒い時期の新雪が積もった、ふわふわの雪の上を歩くと、足が膝まで埋まってしまい、歩くのは大変です。
でも、寒さが緩み始めた時期の「かた雪」は、足をとられることなく、しっかりと踏みしめて雪の上を歩くことが出来ます。
今日は雪が固くしまりつつある、中富良野町北星山を歩いてみました。

中富良野町は、富良野市からJR富良野線で3つ目の駅。
車では、国道237号線を旭川方面へと走らせて、10分程の所にあります。
中富良野駅の背後に位置して、頂からは中富良野町の景色を見下ろせる北星山。
夏には傾斜を利用したラベンダー畑に、紫色の花が咲き誇ります。
そして冬には、スキー場として町の人に親しまれています。

森の木々の多くが葉を落としているこの時期は、鳥たちを観察するのに適した時期と言われています。
カラマツ林は、静かに春の訪れを待っているようです。
北星山にある遊歩道の一つ、サビタの道を歩いていると、さっそく鳥のさえずりが聞こえてきました。

ふと見ると、大きな穴があいた木がありました。
こんなに大きな穴をあけるのは、クマゲラでしょうか。
クマゲラはキツツキ科の鳥で、国の天然記念物にも指定されています。
全身が黒く、頭部が赤いのが特徴です。
冬場は木の中で越冬する虫などを食べるために、樹木の幹の低い位置に穴をあけるそうです。
穴の周りには、穴をあけたときの小さな木くずが残っていました。

たくさんの鳥たちのさえずりが聞こえてきます。
どこかで大工工事をしているような、コンコンという木を打つような音が聞こえてきます。
先ほどの穴の主(ぬし)、クマゲラがどこか遠くでエサを求めて、木の幹をつついているのかもしれません。
鳥たちが姿を見せてくれるのを静かに待ちます。

ゴジュウカラが姿見せてくれました。
せわしなく木の幹を行ったり来たりして、食べ物を探しているようです。
つぶらな瞳がとても愛らしいです。

木々の間から、うっすらと十勝岳連峰と青い空が見えました。
青空、鳥たちのさえずり、そして澄んだ空気。見えるもの、聞こえるもの、肌で感じるもの、全てが気持ちよく、リフレッシュできました。
北星山で感じた心地よさをお土産に、家路につくことにします。