vol.10 富良野冬の鳥沼公園
北海道を代表する観光地として知られる富良野市。
東側に十勝岳連峰、西側に幌内山地や夕張山地などに囲まれた富良野盆地の中心都市です。
その土地柄、四季を通して美しい景色を見ることが出来ます。
中でも、ラベンダー畑や富良野岳を含む十勝連峰の山並み、広大な田園風景は、多くの人を惹きつけます。
今日は市民の憩いの場としても親しまれている、富良野市の鳥沼公園をご紹介します。
鳥沼公園は、富良野市内から5キロ程、国道237号線から北東の方向に入った、十勝連邦の裾野に位置しています。
湧水の流れ出る美しい沼を持つ自然豊かな公園です。
アイヌ語の「チカプ・ウン・トー」「鳥のいる沼」という名前の由来の通り、四季折々たくさんの鳥を見ることが出来ます。
公園内にはミズナラ、ハンノキ、ヤチダモなどの大きな木が、青空に向かって枝を伸ばし、あちらこちらで、鳥の鳴き声が聞こえます。
冬にも多くの方が訪れるので、雪が踏み固められた細い遊歩道が出来て、沼へと続いています。
雪の遊歩道をたどって沼へと降りていくと、水面に鳥の姿があります。
近づいてみると、たくさんのカモです。
ゆったりと浮かんでいるもの、スーッと横切っていくもの、思い思いにのんびりとくつろいでいるように見えます。
カモの群れの中に一層大きく優雅な佇まいの鳥の姿があります。
白く美しい白鳥です。
沼で羽を休め、長旅に備えているのでしょうか。
立ち込める霧と周りの雪景色、水面の鳥たちが一枚の絵のようです。
今日の気温は-15℃。
沼の水面には、白い湯気のような霧が現れては消え、幻想的な世界を創り出しています。
この霧は、気嵐(けあらし)とも呼ばれ、厳しい寒さの日に、いくつもの条件が重なって見ることのできる現象です。
澄み渡った青空から差し込む太陽の光が辺りをキラキラと輝かせます。
時折、様々な鳥のさえずりが聞こえてきます。
この神秘的な世界に身を置いていると、時が経つのを忘れてしまいます。
今日も、厳しい冬の富良野の美しい景色に出会えました。