vol.230.カラマツの黄葉 ~秋から冬へ~
赤や黄色に色づいた木々の紅葉が終わり、
たくさんの落ち葉が公園や歩道に舞い落ちる
11月。
晩秋を迎えた北海道富良野
この時期、富良野の森や林ではカラマツの黄葉が始まります。
漢字で「落葉松」と書くように、落葉する針葉樹として知られる、カラマツ。
カラマツの黄葉は、富良野の晩秋を彩る代表選手です。
北海道中富良野町北星山のカラマツ林も濃い黄色に色づいています。
高さ20~30mにもなる、カラマツの木。
カラマツ林には、午後の日が差し込み、長い影をつくっています。
秋の深まりを感じる、北星山の遊歩道を歩いていると、
「プツン、プツン」と小さな音が聞こえてきました。
カラマツの茂みに、目を凝らすと、エゾリスの姿が。
木の上で、食事中のようです。
しばらく行くと、今度は木をつつき、熱心に虫をついばんでいるアカゲラに出会いました。
頭の後ろが赤い、このアカゲラは、オスのアカゲラです。
アカゲラが飛び立った後、木の幹を覗いてみると、
驚くほどしっかりと、つついた跡が残っていました。
木の根元には、削られた木の破片が飛び散っています。
20cm程の体で、くちばしもさほど大きくないアカゲラの見事な仕事ぶりです。
黄色に色づいた森の散策を楽しんだ日から、数日後
富良野では初雪が降りました。
中富良野町北星山のカラマツの林も、
雪化粧です。
黄葉した葉の上に、白い雪を載せています。
北星山から望む、中富良野町の街も、
すっかり雪に覆われました。
数日後。
暖かい日差しで雪は溶け、北星山のカラマツ林は黄色が一層濃くなりました。
十勝岳連峰山頂の白い雪は、日に日に里に近づいています。
その麓に広がるカラマツの林も、茶色く色を変えています。
柔らかい日差しが、カラマツの林や、
うっすら雪化粧の田畑を照らしています。
濃い黄色に色づいたカラマツ。
また一つ季節が冬へと進んでいきます。
富良野市街からほど近い清水山のカラマツ林も
こんがりきつね色に色づいています。
青い空、茶色いカラマツ、白い雪化粧の畑
秋が終わり冬が始まる、
そんな光景です。
清水山のカラマツの林を歩いてみました。
暖かい日差しで木々に積もった雪がとけ、
その滴が雨粒のようにポタン、ポタンとしたたり落ちています。
秋と冬、晴れと雨が混じったような、不思議な光景です
夕方になると、
夕陽に照らされたカラマツ林は
より一層深みのある黄色に。
日が沈み、暗くなるのが早くなるこの時期は、少し寂しい気持ちにもなります。
寒さが増し、雪の降る日が増えるにつれ、
カラマツは葉を落とし、
カラマツの林からは、 葉の色がなくなっていきます。
秋の終わりを告げる枯葉色のカラマツ林の前には、秋に蒔かれた秋まき小麦の若々しい緑色の畑。
対照的な光景です。
曇りがちで肌寒い日が多くなる11月中旬。
中富良野町北星山のカラマツは葉を落とし、
林の中は、落葉したカラマツの葉で、茶色の絨毯を敷きつめたようです。
茶色い針のような、カラマツの葉。
降り積もる葉を押し上げて、黄色のキノコが小さな傘を広げています。
幹がむき出しとなったカラマツ林。
木々の隙間から空が見える光景に、一層の肌寒さを感じます。
カラマツの葉の茶色い絨毯の上に、うっすらと雪が積もる日があり、溶ける日があり。
雪は、溶けては積もりを繰り返し、冬を迎えます。
11月下旬。
この日の朝は氷点下まで気温が下がりました。
中富良野町北星山のカラマツ林は、雪と寒さで真っ白に。
本格的な冬の訪れを感じる光景です。
毬栗や
キノコも頭の上に白い帽子をのせています。
たくさんの実を付けたカラマツの枝も雪で真っ白です。
カラマツの実は、冬眠をしないエゾリス達の冬の食料にもなります。
北星山の遊歩道を歩いていると、東の空が明るくなってきました。
雲の隙間から、朝のまぶしい光がさしこみ、
白い雪に覆われた中富良野町の街を照らしています。
北星山の斜面に広がるラベンダー畑にも
明るい朝の陽ざしが降り注いでいます。
雪を乗せたカラマツの枝も朝日に照らされ、とけた滴がキラキラと輝いています。
寒さで凍結している道路も朝日に照らされて、まっすぐに続く道が輝いて見えます。
明るい朝日を浴びて、大きく深呼吸。
気持ちのよい一日の始まりです。
今日はカラマツの黄葉から、秋から冬へと移り行く季節の風景をお届けしました。