vol.202.2020年5月の富良野~それでも季節は巡る~
2020年、5月。
北海道富良野では桜の季節がやって来ました。
富良野の桜の名所、上御料の一本桜も見事な花を咲かせています。
富良野市山部の東大樹木園桜公園の約600本のエゾヤマザクラも、国道沿いをピンク色に彩っています。
背後に広がる芦別岳の残雪が、桜の美しさを一層引き立ててくれています。
そんな春本番を迎えた5月の富良野。
例年とは、少し異なる状況ですが、季節は確実に巡っています。
庭先ではスイセンや
鮮やかなピンク色のツツジ、
チューリップなど、次々に春の花が咲き始めています。
道端やあぜ道には、タンポポの黄色い絨毯が広がります。
畑では、農作業も始まり
アスパラ畑では、ニョキニョキと背を伸ばした露地栽培のアスパラが旬を迎えています。
木々の若葉が次々と顔を出し、
新しい命が力強く育まれています。
森も淡い緑色に染まり始めました。
カラマツ林も新緑に包まれ
鳥の鳴き声が響き、心地よい風が通ります。
山から流れる雪どけ水が、春の小川を勢いよく流れ落ち、田畑を潤していきます。
田んぼには、水が張られ、
田植えの準備が始まりました。
水面から小さな緑色の苗が顔をのぞかせている田んぼも見かけるようになりました。
畑の緑も若々しく輝き、
あちこちでトラクターによる農作業が進んでいます。
十勝岳連峰の山の頂きに積もった雪も4月に比べると
雪どけが進んでいます。
ラベンダー畑のラベンダーも緑色が濃くなり、花を咲かせる季節に向かって、パワーを蓄えているようです。
紫色の絨毯に包まれる景色が今から楽しみです。
山の彩りも日々変化しているように感じます。
自然が織りなす彩りと青い空が、爽やかな気持ちにしてくれます。
花々や草木、豊かな大地、そして山や川。
富良野の生命力あふれる春が、私たちに元気を与えてくれます。
そして、「季節は巡り、時は流れる」という、これまで当たり前に思っていた自然の営みに、勇気づけられました。
5月半ばを過ぎ、降り注ぐ日差しや空に浮かぶ雲に、夏の気配を感じるようになりました。
春から夏へ、季節はとどまることなく巡っていきます。
これまで気づかなかったささやかなことに、喜びや希望を見つけた、2020年の春が終わろうとしています。
そしてパワー溢れる夏が間も無く富良野に
訪れます。