vol.146.富良野のレトロな建物巡り
今日は、富良野市郷土研究会発行の『ふらの博物誌』を片手に、富良野市内に残された、歴史ある古い建物を巡ってみたいと思います。
まず最初に訪れたのは、JR山部駅危険品庫。
JR山部駅のホームにある、レンガ造りの建物で、通称「ランプ小屋」とも呼ばれています。
1911年(明治44年)、今から100年以上も前に建てられたレンガ造りのランプ小屋は、
電灯が普及する以前、灯油を燃料とするカンテラが使用されていた時代、燃えやすい燃料油を保管するために設置された建物です。
電灯が普及するようになると、こうした燃料油の保管庫は、一般的な倉庫として使われていたそうです。
100年以上もの時を経て、今もなおJR山部駅のホームでその姿を見ることができる、貴重な建物です。
JR富良野駅の周りにも、いくつかの古い倉庫が残されています。
朝日町にある、炭火焼肉YAMADORI(やまどり)の店舗として使われている建物は、
1911年(明治44年)に酒造の石造倉庫として建てられたものです。
店内は焼き肉店として改装されていますが、外観はほぼ当時の姿を留めているそうです。
炭火焼肉YAMADORIの隣の敷地にも、
美瑛軟石を積み上げた、倉庫が残されています。
美瑛軟石は明治39年から昭和44年まで採掘されていた白っぽい石で、当時の建築資材として広く使われていたそうです。
JR美瑛駅の駅舎にも使用されています。
また五条通りの裏側にも、大正時代の石造の倉庫があります。
鉄道が輸送の主流であった時代、駅前が物流の拠点であったため、このような倉庫が駅の周りに建てられたそうです。主にジャガイモなどの農作物の保管用として建てられた倉庫は、今も当時と同じように使われているものもあるそうです。
このような倉庫は、富良野小学校の向かい側にも、見ることが出来ます。
このレンガ倉庫は、1948年(昭和23年)に建築され、今も倉庫として使われている建物です。
最後に訪れたのは、本町の渡部医院。
倉本聰氏のドラマ、「北の国から」や「風のガーデン」に登場したことでも有名な、歴史ある建物です。
木造の建物で、屋根の上には、「砂時計」に似た屋根飾り施されるなど、富良野市内に唯一残る、大正時代のモダンな洋風建築物として、大変貴重な建物です。
今日は、『ふらの博物誌』を参考に、富良野市内の明治、大正、昭和の趣のある建物をご紹介しました。
巡りながら富良野の時の流れと歴史を感じられました。