vol.30富良野 ダイヤモンドダスト
春分の日を過ぎた3月下旬。
北海道、富良野。
昼間の時間が少しずつ長くなり、日の出の時間も早くなりました。
今日は久しぶりのお天気に恵まれた気持ちの良い朝です。
さっそく朝日を拝みに、車を走らせました。
向かった先は、JR中富良野駅の背後に位置する北星山。
たくさん積もっていたスキー場の雪もとけて、土が見えています。
北星山の山頂からは、中富良野町の街並みと田園風景を見渡せます。
はるか遠くには十勝岳連峰を望むこともできます。
天気の良い日に見える十勝岳連峰は、神々しい姿です。
山頂へと向かう途中、カラマツ林の切れ間から、まぶしい朝日が見えてきました。
山際が明るく照らされてきました。
周りで鳥の鳴き声も聞こえます。
時刻は6時。気温は氷点下10℃。
頬に冷たい風があたります。
十勝岳連峰から、太陽が昇ってきます。
太陽に照らされた雪面が輝き、その上にカラマツの影が伸びています。
朝日に照らされて、空気がキラキラと輝いています。
とても幻想的な美しい光景です。
寒さを忘れてしまいます。
気温が下がり、氷の粒となった水蒸気が、太陽の光に照らされて、宝石のような輝きを見せることから、ダイヤモンドダストと呼ばれています。
空中に宝石が散りばめられています。
冷え込みの厳しい朝に見ることの出来る、魔法のような美しい空気。
様々な条件が重なった時に見ることのできる、冬の芸術です。
とても贅沢な時間です。
富良野の冬は寒さ厳しく、雪も多く積もります。
でも、その厳しい冬にしか出会えない、美しい景色があります。
今日のように氷点下10℃以下まで冷え込む朝は、今季最後かもしれません。
春を感じる光の中で、冬の宝石を見ることが出来ました。