vol.28富良野 春の芽吹き
春分の日を迎えるころ、西日本の桜開花の便りを耳にするようになりました。
ようやく雪がとけて、大地が顔を出し始めた北海道富良野市。
もう少しで4月になろうとしていますが、富良野は朝の気温が-10℃まで下がったり、朝起きると一面雪景色になっている日もあります。
ちらつく雪の中、エゾヤマザクラのつぼみは、まだ固くとじたままです。
桜の便りは、もうしばらくかかりそうです。
そんな中、道端に春の訪れを告げるフクジュソウを見つけました。
冷たい風に吹かれながらも、大地にしっかりと根をはって可愛らしい黄色い花を咲かせています。
まだ雪の残る、日当たりの良い斜面。
ようやく雪がとけて、土が顔を出してきたと思っていたら、フクジュソウの鮮やかな黄色が目に飛び込んできました。
思わず、「わぁ!」と声をあげました。
春を一つ見つけた瞬間でした。
雪どけを待ち、枯葉や笹を押しのけて、芽吹いてくるフクジュソウ。
とても力強くたくましい姿です。
フクジュソウの鮮やかな黄色は、春の訪れの合図です。
今度は雪がとけた地面から、綺麗な若草色のフキノトウを見つけました。
フキノトウは蕗(フキ)の花芽です。
天ぷらなどでいただくと風味豊かで美味しい山菜です。
春を感じるごちそうです。
もう少しで、花を咲かせたフキノトウを見ることができるでしょう。
フクジュソウと共に、雪のとけ始めた富良野の大地を春色に彩ってくれます。
厳しい冬の間、雪の中で芽吹きの準備を進めて、雪がとけると同時に、力強く土を押し上げて顔を出してくるフキノトウとフクジュソウ。
富良野の大地が活動を始めた表れです。
春を告げる植物の可愛らしく、たくましい姿に元気をもらいました。