vol.22寒さを楽しむ ふらの歓寒村
一年を二十四の季節に分けた二十四節気では、今年は3月6日が啓蟄でした。
冬ごもりをしていた虫たちが穴から出てくるという意味だそうです。
盆地気候で寒さ厳しい富良野も、啓蟄を迎え、小鳥たちがエサを求めて木の幹をせわしなく、つつく姿を見かけるようになりました。
富良野でも、長い冬眠から目覚めた虫たちが活動をはじめたのでしょう。
今日は、富良野市の新富良野プリンスホテルに隣接するナイトアクティビティエリア、「ふらの歓寒村(かんかんむら)」をご紹介します。
新富良野プリンスホテルは、富良野駅から5キロ程離れた静かな森に囲まれています。
ホテルの背後には、スキー場が併設され、周囲にはテレビドラマのロケ地が点在するリゾートホテルです。
一年を通して、世界中から多くの観光客の方が訪れます。
ホテルに隣接するふらの歓寒村は、その名が示すように、富良野の寒さを楽しむ施設です。
12月下旬から3月の上旬の夕方4時から夜9時まで、富良野の最も寒い期間に開催されています。
椅子やテーブルが雪と氷で作られた「スノーカフェ」や様々な雪像など、、訪れた方が富良野の寒さを楽しめる空間です。
「犬ぞり」や「スノーチュービング」なども体験もできて、大人も子どもの楽しめます。
今シーズンの営業終了を目前にひかえた3月上旬の夕方5時ころ、歓寒村を訪れました。
道沿いには、ライトアップの灯りがほのかにともっています。
犬ぞりを引く、犬たちの元気な姿が目に留まりました。
寒さに強い犬なのでしょう。毛がフサフサしています。
ゆっくりと施設内を歩いているうちに、だんだんとあたりが暗くなってきました。
来た時よりも、ライトアップの灯りがはっきりと灯っています。
ゆるやかな雪の斜面を、浮き輪のようなタイヤチューブに乗って滑る、「スノーチュービング」を体験してみました。
係りの方がサポートしてくれるので、初めてでも安心して楽しむことが出来ます。
子ども時代を思い出し、懐かしい気持ちになりました。
施設内を散策して、体験を楽しんで、帰路につく頃には、すっかり暗くなっていました。
寒さが緩んできた3月とはいえ、日の沈んだ屋外で過ごすと、頬や耳、足先が冷たくなってきました
帰り道の道沿いを、ほのかな灯りに照らされた冬らしいガラス細工が彩ってくれています。
富良野の寒さを楽しむ空間でした。
帰る時には、あたたかく楽しい気持ちになりました。
それはきっと、歓寒村が、長く厳しい冬の寒さの中に楽しみや美しさを見出し、訪れた方に歓んでもらおうという思いや心遣いにあふれていたおかげです。