vol.16.ふらのワイン工場~冬のブドウ畑と工場見学~
北海道のほぼ中心に位置する、自然豊かな富良野市は、観光や農業が盛んな町です。
富良野市の土地や気候を生かした特産品の一つに、ふらのワインがあります。
富良野駅から2.5㎞ほど離れた清水山には、ワインの原料となるブドウ畑が広がります。
四季折々、美しい景色も楽しめます。
清水山の一角には、このブドウ畑で収穫されたブドウを使った、ワインの醸造、販売を行う、ふらのワイン工場があります。
ふらのワインは、盆地特有の寒暖差を利用した、品質の高いワインとして知られています。
今日はこの、ふらのワインがつくられている、ワイン工場を訪ねてみました。
2月下旬。ワイン工場の周りには雪がたくさん積もっています。屋根からも大きなつららが下がっています。
二十四節気のひとつ、雨水(うすい)を過ぎたとはいえ、まだ雪や寒さが残っています。
ふらのワイン工場は、清水山の傾斜地に建つレンガ作りの建物で、1976年に建てられたそうです。
中に入ると、ほんのりと暖かく、ぶどうの発酵したような香りが、どこからともなく漂ってきて、工場に来た事を実感します。
工場内では、ワイン作りの工程を見学することができます。
階段を下り、地下の熟成室に入ってみました。
湿った重厚な空気と、ほんのりとした灯り。
暗く静かな空間です。
ここで、富良野の大地で育ったブドウが、美味しい時間を重ねています。
時折、作業をされている工場の方の姿を見かけますが、とても静かです。
樽やタンクの中で、美味しいワインになるために、丁寧にゆっくりと時を重ねています。
冬場の乾燥している外の空気とは違う、密度の濃い空気に満たされているように感じます。
地下の熟成室を出て、二階へと上がると、大きな窓から十勝岳連峰の雄大な景色が広がっています。
ふらのワインは、雄大な自然の恵みと丁寧に熟成される時間から生まれています。
美しい景色を眺めながら、数種類のワインを試飲することもできます。
売店では、様々な種類のふらのワインや、ぶどう果汁をつかったジュースやゼリーなどが販売されています。
ワインの種類が色々あって迷ってしまいますが、それぞれ説明が丁寧に記されていて参考になります。
一番人気のある商品と紹介されていた、ふらのワインの赤と白を購入しました。
工場内をゆっくり見て歩いて、買い物をしました。
熟成の時を待つぶどうのように、ゆっくりと豊かな時間を過ごすことが出来ました。
外の空気は少し冷たいですが、日差しは暖かです。