vol.7 富良野冬の朝~富良野岳から昇る朝日~

北海道富良野市から国道237号線を旭川方面に向かって車で20分程。

夏には綺麗な紫色のラベンダーが咲き誇る、上富良野町があります。

上富良野町には「かみふらの八景」と呼ばれる、夏を彩るラベンダーにも負けない素敵な景色が広がる場所があります。

その中の一つ「パノラマロード江花(えはな)」は、富良野市から中富良野町を過ぎ、上富良野町内に入って間もなく、国道から2キロ程西に入ったところにあります。

そこに立つと、一本の真っ直ぐに続く道の先に雄大な富良野岳を望むことができます。

今日は、「パノラマロード江花」から、東側に少し下がった辺りで、朝日を待つことにします。

夜明けを待つ富良野岳

一月中旬。気温はマイナス25度を下回る冷え込みです。

風が頬を刺すような、まさに凍てつく寒さです。

でも、日の出を待つ山並みの佇まいには、厳しい寒さも、圧倒するような力強さと静けさを感じます。

山の頂に広がる空の色が、少しずつ変わり始めました。

雲一つなく、山際の美しい空のグラデーションに息をのみます。

遠くにトムラウシ山が見えます

遠くに見えるトムラウシ山の輪郭が、鮮明になってきました。

北の空には飛行機雲が真っ直ぐな白い線を描いています。

ここから車で50分程の距離にある、旭川空港から飛び立った朝一番の飛行機でしょうか。

濃い青色の空に、段々と白い飛行機雲が溶けこんでいきます。

飛行機から見える朝焼けの富良野の大地も、さぞ美しいことでしょう。

時刻は7時30分になりました。

山際から、朝日がほんの少し姿を見せ始めました。

暖かなオレンジ色の光のベールが広がっていきます。

富良野岳も色づいてきました。

一日が始まる厳かな儀式に参列しているような心持ちです。

神々しい朝日です。

辺り一面を、柔らかく暖かな光で包み込んでいきます。

大地を包み込む優しい光に抱かれて、思わず手を合わせたくなります。

朝日に照らされた喜びに、草木も頬を赤らめているかのようです。

辺りが明るくなり、周りの景色も色づいてきました。

とても寒い朝でしたが、神々しい朝日と徐々に色づく大地の美しさに出会うことができました。

大いなる自然の中で生きる幸せをあらためて感じます。

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